金融緩和って何を緩和?

ここ数年で、『金融緩和』という言葉をテレビ・新聞・雑誌などで多く目にするようになりました。経済や金融に関する用語だと思っている人は多いでしょうが、具体的に何をどう緩和しているのかを知っている人は意外と少ないようです。 そもそも、金融緩和というのは、経済活動の停滞・減速が確認されはじめた時に、景気を良くするためにする金融政策の 1 つです。金融を『緩和』することにより、経済活動を活発にさせる目的があるわけです。 伝統的な金融緩和としては、金利を下げるという手段がありました。中央銀行が短期金利を低めに誘導することにより、金融機関同士や会社・個人との貸し借りの金利を下げる効果があります。融資の金利が下がれば、会社・個人としてはお金を借りやすくなるので、経済活動の活性化につながることが期待されます。 しかし、バブル崩壊後の日本では事情が違いました。日銀が短期の貸出金利を 0% 付近まで誘導した(ゼロ金利政策)にも拘らず、景気は停滞したままだったのです。金利をマイナスにすることは基本的にはできませんから、中央銀行が景気刺激のためにできることがなくなってしまったのです。 そこで、新たに考え出されたのが『量的緩和』と呼ばれる方法でした。これまでの手法は金利を緩和してきましたが、量的緩和では通貨の量を増やすことで経済活動の活性化させようとしたのです。通貨の量を緩和するから『量的緩和』と呼ばれました。量的緩和に効果があるかどうかの意見は分かれていますが、少なくとも、気休め程度の効果はあったと思われます。 2008 年には世界をリーマンショックが襲いました。これまでは、量的緩和策を実施していたのは日本だけだったのですが、サブプライムローンとリーマンショックにより世界的に景気の減速が始まってしまい、現在では主要国の多くが量的緩和を実施しています。 さらに、日本では 2013 年に『量的・質的金融緩和』と呼ばれる、新しい緩和策を実行しています。これは、通貨の量のみならず、中央銀行が買い入れる資産(債券)の範囲を広げることにより、買い入れる資産の質を緩和したことからつけられた名前です。

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